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サクランボの主力品種「佐藤錦」=2025年6月13日午前6時20分、山形県天童市、斎藤徹撮影

 生産量日本一の山形県で、サクランボが収穫シーズン本番を迎えている。県全体の作柄は平年より少ないと予想されている中でも、生産者は限られた期間でできるだけ多く出荷するべく、天気や気温を見ながら作業にあたっている。

 13日午前5時、山形県天童市の「王将果樹園」。従業員15人が佐藤錦の収穫にとりかかった。3班に分かれ、はしごに登って実の大きさや色を確かめる。やわらかい果皮を傷つけないように、道具は使わず手で一つひとつもぎ取って、腰につけたかごに入れていく。何度もはしごを上下し、サクランボを集める箱はものの10分で満杯になった。

 果樹園の矢萩美智(よしとも)代表(49)は「今年は木によって生育の進み具合が違い、数回に分けて取らないといけない。生きもの相手だから、毎年同じようにはいかないね」と笑う。約7ヘクタールのサクランボ畑で30品種、約1500本のサクランボを育てており、佐藤錦が半分強を占める。

 全国のサクランボ生産量の7割が山形県産だ。佐藤錦は県内で栽培されるサクランボの67%を占める主力品種だが、今年は実の数が平年より少ない。4~5月の開花期に強風や低温が続き、花粉を運ぶ蜂が飛べなかったためだ。県は、今年のサクランボの収穫量を平年比72~80%の9100~1万200トンと予想している。

予約の受付中止も

 実のつき方は、果樹園や木に…

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